写真集「空想は在る/There is a Daydream」
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『空想は在る / There Is a Daydream』
日芸写真学科を休学していた期間に、一人で21カ国を旅しながら撮影した写真をまとめた一冊です。南アジア、イタリア、中央アジア、コーカサスなど、それぞれの土地で撮影した未公開作品を含む100枚近い写真と、旅の経験から書き下ろした7篇・計約15,000字のエッセイを収録しています。2026年夏の個展で販売した写真集と同じものです。
仕様
B5判 / 124ページ
無線綴じ
本文:マットコート紙 135kg
表紙:アラベール ホワイト 235kg
写真:約100点
エッセイ:7篇 / 約15,000字
Published by Hitsuyou Editorial
2026
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【Statement】
空想が世界の中心だった。幼少期から、頭の中に浮かんだことと、目の前で起きたことのあいだに、私には明確な区別がなかった。外側から与えられた出来事も、内側に立ち上がった像も、感じた時点で確かに存在していた。現実と空想は、本物と偽物のように分かれていたのではなく、ただ外側に現れるか、内側に現れるかの違いでしかなかった。
私はそれらを、同じ出来事のように語っていた。大人たちは、その感覚に「発達の遅れ」や「嘘」という名前を与えた。けれど、当時の私には、その分類の方がむしろ不自然だった。実際に起きたことと、かつて強く思い描いたことは、今も同じ記憶の場所に沈んでいる。記憶は、客観的な事実だけを保管する場所ではなく、感じられたものが同じ密度で残り続ける場所である。
私は一人で旅に出た。旅とは、現実を空想に近づけ、空想もまた現実へ近づける行為だ。目の前の現実は、ただそこにあるものではなく、私の中に蓄積された空想のアーカイブと重なることで、浮遊感をもった像として立ち上がる。
地平線の光、ガソリンの匂い、擦りむいて滴る血。私の身体がそのすべてに触れることで、内側にある空想もまた、より確かな輪郭と手触りを持ちはじめる。
現実に触れることで、空想は否定されるのではなく、壊され、混ざり合い、より複雑な感覚として再構成される。そして現実もまた、空想を投影されることで、ひとつの意味に閉じ込められない複数の姿を持ちはじめる。
写真が捉えたイメージは、絶え間ない空想と、確かに存在する遠い現実の境界に漂う浮標である。私たちはこの視覚言語を通して、分断された空想と現実を同一の場所から再考し、世界の輪郭をもう一度、オルタナティブな感じ方で見つめ直していく。
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【収録エッセイ】
1. メフィストフェレス
2. エゴイストは隣人を愛する ― フローレス島
3. エイリアンはボロボロのノートを開いて ― カザフスタン横断鉄道 三日目
4. ヒマラヤで赤点補習を受けても人生は ― カトマンズ ネパール
5. 薄明は等速で朝に変わって。― アルメニア 南カフカス鉄道
6. すべての旅は帰路みたいだ。― キルギスの谷底
7. すれ違って花束 ― ウズベキスタン
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9月第二週に発送予定の第3版は残り在庫が30冊となっています。
第4版も予定していますが、発注後の受付になるため、ご購入はお早めにどうぞ。